労働者派遣法に関するお知らせ

改正労働者派遣法について

改正労働者派遣法が2015年9月30日に施行され、新しい法律のもとでの運用が開始しています。派遣期間制限の見直しをはじめ、今回の改正で大きく変わる事項を中心にご説明します。

本内容は、2015年10月16日時点の情報に基づき作成しています。また、本内容では9月30日に施行された(改正後の)派遣法を【新法】、改正前の派遣法を【旧法】と表記いたします。

改正派遣法 大きく変わったポイント

よりわかりやすい派遣期間制限への見直し

これまで期間制限を受けなかったいわゆる26業務の区分は廃止。業務内容によって期間制限が異なる制度から大きく変化し、派遣先事業所単位、派遣労働者個人単位の2軸の期間制限に。

派遣先・派遣元に新たな義務 ~派遣労働者の雇用安定とキャリアアップ、均衡待遇強化~

派遣先にこれまでにない義務が生じるとともに、派遣元にとっては「雇用安定措置」が大きなポイントに。

すべての労働者派遣事業を許可制へ

届出のみで行うことができた特定労働者派遣事業の区分を廃止。労働者派遣事業を営むすべての業者は許可制となり、一定の基準を満たす必要が生じることに。

ポイント解説

よりわかりやすい派遣期間制限への見直し

期間制限の概念が大きく変わり、 「事業所単位」という視点での契約管理が必要になります。
現在、部署単位などで契約を管理している場合は、派遣の受入れフローや契約管理方法を早いタイミングで見直し、各事業所における受入期間の把握をすることが重要です。

01

派遣先事業所単位の期間制限における同一の事業所とは

  • 【雇用保険の適用事業所】の考え方とほぼ同義です

    ● 定義 ●
    ①工場、事務所、店舗等、場所的に他の事業所その他の場所から独立していること
    ②経営の単位として人事、経理、指導監督、労働の様態等においてある程度の独立性を有すること
    ③一定期間継続し、施設としての持続性を有すること
    等の観点から、実態に即して判断

    雇用保険法等雇用関係法令における概念と同様のものであり、出張所、支所等で、規模が小さく、その上部機関等との組織的関連ないし事務能力からみて一の事業所という程度の独立性がないものについては、直近上位の組織に包括して全体を一の事業所として取り扱う

    『労働者派遣事業関係業務取扱要領』より

02

個人単位の期間制限における同一の組織単位とは

  • いわゆる【課】などが想定されます

    ● 定義 ●
    ①課、グループ等の業務としての類似性や関連性がある組織
    ②かつ、その組織の長が業務の配分や労務管理上の指揮監督権限を有するもの
    ③派遣先における組織の最小単位よりも一般に大きな単位を想定しており、名称にとらわれることなく実態により判断すべきもの
    ただし、小規模の事業所等においては、組織単位と組織の最小単位が一致する場合もあることに留意する

    『労働者派遣事業関係業務取扱要領』より

【新たな期間制限のイメージ】

事業所単位3年の期間制限

  • 新法施行日以降、その事業所で最初に締結した新法契約の開始日(起算日)から3年間、派遣の受入が可能です。
  • その事業所で3年を超えて派遣を受け入れたい場合、起算日から3年後の日(抵触日)の1ヵ月前までに意見聴取を行う必要があります。意見聴取を行わずに派遣を受け入れた場合、労働契約申込みみなし制度の適用対象になります。

個人単位3年の期間制限

  • 新法施行日以降、派遣労働者がその組織単位において新法契約で就業開始した日(起算日)から3年間、受入が可能です。たとえ派遣元が変わっても、同一の組織単位で3年を超えて同一派遣労働者を受け入れることはできません。
  • 就業先の事業所抵触日を超える契約締結は、その事業所抵触日が意見聴取を経て延長されていない限りできません。

派遣先・派遣元に新たな義務 ~派遣労働者の雇用安定とキャリアアップ~

【雇用安定措置の義務化】

「雇用安定措置」は、派遣労働者の派遣終了後の雇用を継続させるための措置です。同一の組織単位に継続して3年に達する見込みの派遣労働者に対し、派遣労働者が引き続き就業することを希望する場合、上記の措置を講じる必要があり、1年以上3年未満の場合は努力義務となっています。

派遣元は派遣労働者が派遣先での直接雇用を希望する場合には、まず①の措置を講じ、その結果、派遣先での直接雇用に結びつかなかった場合には、②~④のいずれかの措置を追加で講じる義務があります。

【正社員等募集情報の周知義務】

派遣先に、一定の条件を満たした派遣労働者に対する正社員等募集情報の周知義務が課せられます。

※上記、Aの対象者は継続期間を旧法契約から起算してカウントします。(Bの対象者は新法契約から起算)
そのため、既に対象となる派遣労働者が事業所に存在する可能性があります。

【優先雇用の努力義務】

派遣先に、一定の条件を満たした派遣労働者に対する優先雇用の努力義務が課せられます。

事業所ごとの募集情報の周知方法、担当者を決め、正社員の募集情報周知を最優先に実行する必要があります。個別の派遣労働者ごとに都度周知するのが困難であれば、例えば派遣労働者も閲覧可能な社内イントラネットに情報を掲載して随時確認するよう促すなど、すべての情報を全員に周知する手法も考えられます。

【計画的な教育訓練、キャリア・コンサルティング】

派遣元は、段階的かつ体系的な教育訓練をキャリア形成支援制度として策定した教育訓練計画に基づいて行う必要があります。(雇用する全派遣労働者に有給かつ無償で実施)

また、希望者に対するキャリア・コンサルティングを実施する義務があり、希望があるにもかかわらず実施しないことは認められません。

派遣先・派遣元に新たな義務 ~均衡待遇強化~

※均等待遇ではなく 「均衡待遇」
(通常の労働者との職務、人材活用の仕組み・運用や契約期間の違いに応じて待遇面のバランスを図る)

派遣先に求められる【配慮義務】

  • 派遣元の求めに応じて、派遣労働者の賃金が適切に決定されるよう、必要な情報を提供するよう配慮

    例)派遣労働者と同種の業務に従事する
    ・派遣先の労働者の賃金水準
    ・一般の労働者の賃金水準(賃金相場)
    ・派遣先の労働者の募集時の求人条件  等

  • 派遣元の求めに応じて、派遣先の労働者に対し業務と密接に関連した教育訓練を実施する場合、派遣元事業主で実施可能な場合を除き、派遣労働者にも教育訓練を実施するよう配慮
  • 派遣先の労働者が利用する以下の福利厚生施設については、派遣労働者に対しても利用の機会を与えるよう配慮

    ①給食施設(食堂) ②休憩室 ③更衣室

※上記の配慮義務に加え、派遣料金の額の決定に関して、派遣労働者の就業実態や労働市場の状況等を勘案し、派遣労働者の賃金水準が派遣先で同種の業務に従事する労働者の賃金水準と均衡の図られたものとなるよう努めるなどの努力義務があります。


すべての労働者派遣事業を許可制へ